土地と建物の名義が異なる際の不動産の売却方法について
2024/01/11
今回は、土地と建物の名義が違う場合の不動産売却の進め方についてお話いたします。
■土と建物の名義が違う不動産を売却する方法
土地と建物の名義が違う不動産売却は、3つの方法のいずれかを選択することで進めることができます。
- ・土地と建物をそれぞれ単独で売却する
- ・土地または建物の名義を同一人にしてから売却する
- ・土地と建物の名義が違うまま同時に売却する
それぞれのポイントついて説明いたします。
・土地と建物をそれぞれ単独で売却する
土地と建物の名義が異なる場合でも、所有者が単独で売却することが出来ます。
しかし、ここで注意が必要なのが、名義が違っている土地にある建物が、土地を無償で使用している「使用貸借」なのか、地代を払って「借地権を設定している」ものかにより売却の方法が変わってきます。
【使用貸借の場合】
「使用貸借」とは、土地と建物の名義が異なるが、親子など親族の関係の場合で、土地を無償で使用していることです。
家を売却する際に地主の承諾は不要ですが、使用貸借契約は、貸主と借主の間のみで有効。建物を取得しても、土地の所有者から明渡請求を申し立てられる可能性があります。また、使用貸借の土地を購入して新たに地主になったっても土地が自由に使える保証もありません。
買主に不利な面が多いので、土地また建物の単独での売買されるケースは稀です。
【借地権が設定されている場合】
「借地権」とは、建物を建てるために地代を払い、他人から土地を借りる権利のことをいいます。
借地権が設定された物件を売却する場合は、借地権も合わせて譲渡するので、売却の際に地主の承諾が要ります。
・土地と建物の名義を同一人にしてから売却する
最も一般的なのは、土地と建物の名義を同一人にしてから売却する方法です。
名義を同一人にするためには、土地または建物の所有者が、もう一方の物件を買い取ります。無償で譲渡したり、相場よりも相当安い価額で売却した際は、贈与税が発生する可能性がありますので注意しましょう。
この場合は相場の価格で購入できるほどの資金が必要だということを留意しておきましょう。
・土地と建物の名義が違うまま同時に売却する
相場の価格ほどの資金が用意できない場合は、名義が異なる状態のまま同時に売却します。
買主はそれぞれの売買契約が、もう一方の契約が成立して初めて有効に成立するという形で、土地と建物の2つの契約を結びます。なぜなら、2つの契約の関連付けをして、契約成立後に、建物(土地)だけを解約するといったトラブルを回避するための措置を講じる必要があるからです。
一般的な不動産売却よりも難しいため、名義が異なる物件を同時売却した経験がある不動産会社を選びましょう。
■土地と建物の名義が異なる不動産売却の流れ
同一名義に変えて売却するのが一般的ですが、土地と建物の名義が違う不動産を同一名義にして売却するための大まかな流れについてお話します。
・名義を同一にするための協議
土地と建物の名義を同一人に変更する手続きを進めるための協議からはじまります。売却活動を行う際に動ける方を名義人とすることが多いですが、相手方の不動産を購入する必要があるため、資金のある方を名義人とする方法も検討します。
・不動産価額を設定する
適正な不動産価額を設定しましょう。実際に金銭のやり取りをしないまま不動産の名義変更を行った場合や、あまりに安価で相場価額との差額をみなし贈与と扱わて、「贈与税」が課税されることになるので注意が必要です。
税務対策上、専門の不動産業者や税理士に相談して適切な金額を設定することをお勧めします。
・相手にお金を支払う
金銭のやりとりは、税務署から架空の取引とみなされないように、親子であっても契約書を作成し、実際に資金を動かし、銀行振り込みなどによって金銭の移動の痕跡を残しましょう。
・名義変更の手続きをする
名義変更手続きは自分でもできますが、申請書の作成や必要書類の準備などが必要で、さらに書類に不備があれば何度も法務局へ行く必要があります。不動産の知識やない方や忙しい方などは、はじめから司法書士に依頼することをお勧めします。報酬の相場は10万円前後です。
■名義変更が難しいケースも…
スムーズに名義変更が進むのがベストですが、中には下記のようなケースで名義変更自体が難しく売却が困難な物件があります。
- 離婚が原因の売却の場合。完済前の離婚では手続きが複雑になることも
- 親が認知症になり、「意思決定能力がない」と診断が下っている場合
- 相続された土地が、遺産分割協議もされないまま放置され名義人が所在不明な場合
などなど、様々なケースが想定されます。
同じようなケースでお悩みの方がいらっしゃいましたら、ユニコーンハウジングへ来店し、お気軽にご相談ください。
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