不動産会社に「この価格では売れません」と言われたらどうする?
2026/09/07
~査定価格と売出価格は、同じではありません~
自宅の売却を不動産会社に相談して、「この価格ではちょっと難しいですね」と言われた経験はありませんか?
例えば、売主様は「5,000万円くらいで売りたい」と考えているのに、不動産会社の査定価格は4,500万円。
「そんなに安いの?」と納得できないこともあると思います。
ここで知っておいていただきたいのが、「査定価格」と「売出価格」は別物だということです。不動産会社から4,500万円と査定されたからといって、必ず4,500万円で売り出さなければならないわけではありません。
では、希望価格で売り出してみるのはアリなのでしょうか?
査定価格は「このくらいなら売れそう」という予測
不動産会社の査定価格は、近隣の成約事例、現在販売されている競合物件、築年数、駅距離、土地面積、間取り、階数、方角、管理状態など、さまざまな条件をもとに算出します。
ただし、査定価格は「この金額で必ず売れる」という保証価格ではありません。あくまで過去の取引や現在の市場から考えた、売却価格の予測です。
逆に言えば、査定価格より高く売れることもあれば、査定価格まで価格を下げてもなかなか売れないこともあります。不動産は一つとして同じものがなく、最後はその物件を「この価格でも欲しい」と考える買主がいるかどうかで決まります。
売出価格は誰が決めるの?
意外と誤解されているのですが、仲介で不動産を売却する場合、最終的に売出価格を決めるのは不動産会社ではなく売主様です。
不動産会社が「4,500万円が妥当です」と査定しても、売主様が5,000万円で売り出したいのであれば、その価格から販売を始めるという考え方もあります。
ただし、ここで重要なのは、「希望価格で売ること」と「根拠なく高く売り出すこと」は違うということです。
相場より少し高くても、その価格で購入する理由がある物件なら成約する可能性はあります。一方で、周辺に似た条件の物件が4,500万円前後で複数販売されているのに、特別な理由もなく5,000万円で売り出せば、買主から比較されて選ばれにくくなるでしょう。
最初は少し強気で売り出すのも一つの方法
売却を急いでいないのであれば、査定価格より少し高い価格から販売を始め、市場の反応を見る方法もあります。
特に、そのマンションや地域で売物件が少ない場合、角部屋や眺望の良い部屋、土地の形が良い戸建てなど、希少性のある不動産なら強気の価格設定がうまくいくこともあります。
また、売却してから「もう少し高く出してみてもよかったかな」と後悔するくらいなら、一定期間だけ希望価格に挑戦してみるという考え方もあります。
ただし、ここには一つ注意点があります。
高すぎる価格で長期間売ることにもリスクがある
「売れなければ、そのとき値下げすればいい」と考える方もいらっしゃいます。もちろん、それも一つの方法です。
しかし、販売期間が長くなると、購入検討者から「この物件、ずっと売りに出ているな」と見られるようになります。
不動産を探している方は、想像以上によく物件情報を見ています。同じ物件が何か月も掲載されていると、「何か問題があるのでは?」「まだ値下がりするのでは?」と考えられてしまうことがあります。
結果として、最初から適正な価格で売り出していれば決まった可能性があるのに、何度も価格変更を繰り返し、最終的には当初の査定価格より低い金額で成約するケースもあります。
つまり、高く売り出すこと自体が問題なのではなく、高い価格のまま市場の反応を無視して放置することが問題なのです。
「問い合わせがない」と「内覧はあるが売れない」は意味が違う
価格を見直すときに、単純に「1か月売れなかったから値下げ」と考える必要はありません。
重要なのは、どの段階で止まっているのかを見ることです。
販売を始めても問い合わせ自体がほとんどない場合は、価格が検索条件から外れていたり、周辺の競合物件と比較して割高に見えていたりする可能性があります。
一方で、問い合わせや内覧はあるのに購入申込みにつながらない場合は、価格だけが原因とは限りません。室内の印象、写真、物件の見せ方、内覧時の対応などに改善できる部分があるかもしれません。
さらに、購入申込みは入るものの毎回値引き交渉になるのであれば、それも市場からの重要なメッセージです。
単に「売れない」という一言で判断せず、買主がどこで離脱しているのかを見ることが大切です。
価格を下げるなら「少しずつ」が正解とは限らない
例えば5,000万円で販売して反応がないため、4,980万円、次に4,950万円、そして4,900万円……と少しずつ価格を下げる方法があります。
一見すると慎重な方法に見えますが、必ずしも効果的とは限りません。
購入希望者は「4,500万円まで」「5,000万円未満」といった予算条件で物件を検索することがあります。そのため、数十万円価格を変更しても、新しい購入検討者の検索範囲に入らないことがあります。
値下げをするのであれば、「いくら下げるか」だけでなく、価格を変更することで、どの購入層に新しく見てもらえるのかまで考えることが重要です。
「高く査定してくれた会社」が高く売ってくれるとは限らない
複数の不動産会社へ査定を依頼すると、査定価格に数百万円の差が出ることがあります。
A社4,500万円、B社4,600万円、C社5,100万円。
こうなると、5,100万円と査定してくれた会社にお願いしたくなるのは当然でしょう。
しかし、大切なのは査定額そのものではなく、「なぜその価格なのか」を説明できるかどうかです。
近隣ではいくらで成約しているのか。現在の競合物件はいくらなのか。この物件ならではのプラス材料は何なのか。
そして、その価格で売り出した場合、反応がなければいつ、どのように戦略を変更するのか。
ここまで説明できて初めて、査定価格には意味があります。
媒介契約を取るためだけに高い査定価格を提示されても、その金額で売れる保証はありません。
「いくらで売りたいか」と「いつまでに売りたいか」はセットで考える
売却価格を決めるとき、もう一つ大切なのが時間です。
「できれば5,000万円で売りたい。半年かかっても構わない」という方と、「住み替え先が決まっているので3か月以内に売りたい」という方では、同じ物件でも販売戦略は変わります。
高く売ることだけを追求して時間をかけすぎると、住み替えの予定が狂ったり、住宅ローンや管理費などの負担が続いたりすることもあります。
だからこそ、売出価格を決めるときには、「希望価格」「最低限確保したい金額」「売却したい期限」を整理しておくことをおすすめします。
不動産会社に「売れません」と言われたら、理由を聞いてください
もし不動産会社から「その価格では売れません」と言われたら、すぐに希望価格を諦める必要はありません。
「なぜ売れないと考えるのですか?」
「近隣では実際にいくらで売れていますか?」
「この価格で1か月だけ試して、反応を見てから判断するのはどうですか?」
こうした質問をしてみてください。
きちんとした根拠があれば、価格を下げる判断にも納得できます。反対に、明確な根拠がないのであれば、別の不動産会社の意見を聞いてみるのも一つの方法です。
まとめ――大切なのは「高く出すこと」ではなく「高く売る戦略」
不動産売却では、最初から安く売る必要はありません。条件が良ければ、少し強気の価格から市場の反応を見るという方法もあります。
ただし、「とりあえず高く出して、売れなければ下げればいい」というだけでは、良い販売戦略とは言えません。
なぜこの価格で売り出すのか。どのくらいの期間試すのか。どんな反応なら価格を維持するのか。そして、どんな反応なら価格を見直すのか。
ここまで最初に考えておくことが重要です。
不動産会社の仕事は、単に査定価格を提示することではありません。売主様の希望を聞いたうえで、市場の状況と照らし合わせ、「どうすれば納得できる条件で売却できるか」を一緒に考えることだと私たちは考えています。
甲南山手・東灘区・灘区・中央区・芦屋・西宮など阪神間で不動産売却をご検討の方は、ユニコーンハウジングへお気軽にご相談ください。「まだ売ると決めていない」「希望価格で売れるかだけ知りたい」という段階でも大丈夫です。査定価格だけではなく、その価格になる理由と売却方法まで分かりやすくご説明いたします。
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